大きな星空に潤いを

思いの丈(たけ)を綴る場所

届けるつもりのないラブレター

"好き"を持った日々を ありのままで
文字にできるなら 気が済むのにな

(不思議/星野源)


「好き」という気持ちを表すためには
「好き」という言葉だけでは到底足りないと、
長い間オタクをやっていてつくづく思う。


だからこそ「好き」という言葉以外でどうすれば
この気持ちを伝えられるのか、考える。
「愛」とも「恋」とも似ているが、イコール
ではない。その一言や二文字で表現するには
あまりにも簡単すぎる。


「好き」という気持ちのエネルギーは大きい。
時には自分の心の中で大きくなりすぎて、
抱えきれなくなってしまう。
「好きだ!」と思った瞬間に、その気持ちが
頭の先から足の指の先まで身体中に詰まり、
中心から熱が発生する感じがする。
そんな時にそのエネルギーを手っ取り早く表すために
一番身近で親しみのある二文字を使って
「好きだーーーー!」とSNSで叫んだりもするが、
それだけじゃ全く足りなくてもどかしく思う瞬間が
ほとんどだ。


今日は、私が持っている好きの気持ちを、
私が持つこん限りの力で文字にしたためたいと思う。
私のこの気持ちに一番近い言葉は何なのか、慎重に
真剣に選びながら、綴りたい。


つまりこれは、ある一種のラブレターである。

そして私はこれを星野源さんに向けて、綴るつもりだ。



ファンレターという名のラブレター


ファンレターは疎か、ラジオのメールですら送った
ことがないのに、いきなりラブレターだなんて、
面白い話だと自分でも思う。
あえて私は、もしかしたら本人に直接届くかも
しれないものを送ることを意識的にしてこなかった。
もちろん、曲が良かったとか、ドラマが良かったとか
ポジティブな感想はSNS等で反応したりはする。
だけど私にとって、自分の気持ちを星野源さんに
伝えるということに重要性があまりなかったのだと思う。

源さんから発信された音楽、演技、文章、言葉。
それらの中で心に響いたものを大切に宝物にして、
咀嚼して理解することが、楽しかった。


"私が"源さんから感じ取ったものを
"自分で"特別なものとするだけで十分だった。



そんな私にとって、源さんは、
孤独との向き合い方を教えてくれた人だ。


歌声に惹かれて

2011年に「11人もいる!」というドラマで
源さんの存在を知る。
初めは「コミカルな演技をする人で面白いな」
「白目剥きながらセリフ言っててめちゃくちゃツボ」
だなんて思っていた。

最近ではMIU404や罪の声等で
多岐にわたる役柄を演じる星野源さんだが、
大人計画所属というのもあり、
根っこの演技はめちゃくちゃ面白いのである。
逃げ恥の平匡さんは随所随所にコミカル演技が
含まれていて、「私の好きな源さんだ」とよく
思っていた。映画「地獄でなぜ悪い」は、源さんの
コミカル演技のうち5本の指に入るくらい好きな
作品だ。よかったら見てみてほしい。
(コミカル演技ってなに?)


話を元に戻す。
11人もいる!」のコミカルな演技に心惹かれた訳だが、
源さんを認知するきっかけとなったのがドラマであって演技であり、沼落ちした理由は、作品中の源さんの弾き語りであった。


曲名は「家族なんです」。
作曲星野源宮藤官九郎さん作詞である。



作中、あんなにコミカルな演技をしていた人が、
こんなに優しく温かく歌っている。
それまで星野源さんの存在を知らなかった私にとって、個人的にはすごい衝撃であった。

ドラマの中の家のベランダに座り、ギターを持って
歌っている。優しく穏やかなメロディに、さらに
優しい歌声をのせて、家族について歌っている。

その一瞬で私は星野源さんの歌声の虜になり、
「なんか好きかもしれない」そう思った。


そしてYouTube検索し、
ミュージックビデオ「日常」を見た。

星野源 – 日常 (Official Video) - YouTube

無駄なことだと思いながらも それでもやるのよ
意味がないさと言われながらも それでも歌うの

みんなが嫌うものが好きでも それでもいいのよ
みんなが好きなものが好きでも それでもいいのよ

共感はいらない
一つだけ大好きなものがあれば それだけで

日々は動き 君が生まれる
暗い道でも 進む進む
誰かそこで必ず聴いているさ
君の笑い声を

当たり前のようで中々気付けない、
日常の当たり前を言葉にして歌ってくれている。
「みんなが好きなものでも、
みんなが嫌いなものでも、
わたしが好きならそれでいいんだ」
「無駄に思えることだって、
毎日粛々と続けていくことに意味があるし、
だからこそ少しずつ動いていくんだ」


先の見えない日常、将来への不安、
どんなに暗い道でもそれでも時は進む、
進んでいく中でいつか光が見えてくる。
今思えば、その時の私にとっての暗闇の中の光が
源さんだったようにも思える。


歌詞も歌声も佇まいも何もかもが胸に刺さって、
抜けない。
その日から私の中に"星野源"という存在が
あり続けていくことになった。


エッセイを読んで、"星野源"を知る

「ありのままの自分でいいこと」
「自分が好きなこと、やりたいことをしていいこと」
「周りになんと言われようと、自分の好きなことであれば続ける意味があるということ」

この全ては私がずっと源さんから教わってきたことだ。



源さんのエッセイを読むと、源さんが若い頃
どんな人生を送ってきたのか知ることができる。
日々の冴えない出来事、悲しかったことを
包み隠さず曝け出して文字にしているわけだが、
そんなありのままの源さんがすごく好きだった。

世の中のスポットライトを浴びている人も、
同じ人間なんだと。
嫌なことも辛いことも悲しいことも、
嬉しいことも楽しいことも面白いことも、
ちゃんと平等にあるんだと。

そして、どんなに悲しいことでも、
自分次第で日常の面白さに変えられる
ということも知った。


人生は自分次第で面白くできる。
自分にとって面白くない出来事でも、
むしろそんな面白くない出来事だからこそ
笑って話そう、そんな風に考える源さんが
すっごく好きである。


また、自分の考えを周りに流されることなく
きちんと伝える姿勢も好きだ。
例えば、ラジオで言ったSNS関連の使い方。
「自分の写真は使わないで欲しい」と話したこと。
自分の意見ははっきりと伝えつつも、慎重に、
出来るだけみんなが傷付かない言い方で。


メディアを通して源さんが伝えなければ
ならないことを伝えようとするとき、
意味がねじ曲がって伝わってしまうことがないように
すごく丁寧に話してくれている印象がある。
様々な考え方や環境の人たちがいることを
念頭におきながら、はっきりと伝えつつ、
だけどちゃんとフォローも入れる。
なんかその賢さと気遣いと、優しさと、
芯がしっかりしているところが本当に好きだ。


"あなた"と"私"だけの空間

これはもうずっと言っていることであるが、
私は星野源さんが言う"あなた"という言葉が
本当に好きだ。

「画面の向こうのあなた」「ラジオの前のあなた」
「この曲を聴いてくれているあなた」
源さんは、色々な場面で「あなた」という言葉を
使ってくれる。

私がなぜこの言葉が好きなのかというと、
「あなた」という言葉を言われると、
途端にその空間が「私」と「星野源さん」の
一対一の空間になるからだ。
「ファンのみんな」「リスナーのみんな」
の中の1人としてではなく、私個人に向けて
くれている気がするのだ。


ラジオでも「僕はあなたと一対一のお喋りがしたい」
と言っていたように、源さんが言う「あなた」には
瞬間的に周りが何も気にならなくなるような
言葉の魔力が含まれている気がする。
というか、含まれているのだ。
私はその言葉で何度も一対一の空間を
体験してきたのだから。


ライブでの真っ直ぐ前を見つめて歌う姿や、
カメラを見つめて歌う姿も大好きだ。
本当に不思議なもので、カメラを見つめて歌う
源さんを画面越しに見ると、もうそれはそれは
ものすごく「私」と「源さん」だけの
空間になる。会場には沢山のファンの人がいて、
私以外にもいるのに、一対一の空間になる。
テレビ越しでも同じことが言える。

これは感覚的なもので、
いまだにうまく言えないのだが、
きっといろんな人がこの感覚を
味わったことがあるんじゃないだろうか。
私はこの一対一の感覚がなによりも好きである。
そしてその感覚を作ってくれる星野源さんが
本当に好きだ。



とにかく好きなんだ!

これ以上喋ると本当に
論文ボリュームになってしまうので
そろそろ締めに入りたい。
何を伝えたかったということであるが、
私は本当に「星野源さんが好きだ」
ということが伝わっていればいい。

高校時代からずっと私の人生のそばにいてくれて
孤独との向き合い方を教えてくれた。
言葉では表せない、いろんな思い出や感情が
複雑に、色鮮やかに、沢山積み重なっている。

できれば全て言葉にして、こんなに好きなんだと
自分自身で再認識したかったが、なかなか難しい。
そしてもどかしい。
「好き」を文字にすることにもどかしさを
覚えるなんて、本当に不思議の歌詞のようだ。


でもなんだか自分の「好き」を全て文章化できてしまうのももったいない気がするので、これはこれでいいのかなあと思うようにした。


私だけの「好き」は私だけの中にこっそり大切にしとこう。

みんなそれぞれ源さんの好きなところがあるように、私の中の好きな源さんがある。
私の好きな源さんは、私だけの秘密だ。へへへ!



最後に

星野源さん、11周年、おめでとうございます。
そしてご結婚もおめでとうございます。
これからもずっと好きです。
音楽も芝居も文章も、全て楽しみにしています。
どうか楽しみながら、健康にも気をつけて、
ものづくりに打ち込めますように。


それでは、完全な自己満足のラブレター、
これにておしまいです。

本当に本当に、大好きだなあ。
ああ、これからの星野源も楽しみだ!